ドリブルとはボールを蹴りながら移動することです。
ドリブルの基本について、さらにどのような種類があるかを考えましょう。
ドリブルの基本
ドリブルの基本は、ボールを上手にコントロールすることです。
その為には足を上手に使い、目的に応じてボールを転がす必要があります。
ドリブルの目的は簡単に2つに分けることが出来ます。
一つは攻撃用のドリブル。
もう一つは移動させるためのドリブルです(自陣でディフェンダーやボランチの選手が多用するドリブルです)。
移動しながらボールを蹴るわけですから、視線は向かう先を見るべきですが、もちろんボールも同時に見なくてはいけません。
そこでルックアップと呼ばれる顔を上げる動作が必要になります。
攻撃するためのドリブル
相手をかわし、振り切るためには切れ味のあるドリブルが求められます。
選手の特性により大まかに二種類のドリブルに区分できます。
一つは、クリスチアーノ・ロナウドのような直線的なドリブルです。
そしてもう一つはメッシや香川真司選手のような蛇行するように進んでいくドリブルです。
直線的なドリブルはどのように行うのでしょうか。
基本はどれだけ走るスピードを落とさないかです。
その為のカギは、足の外側を使ってボールを前に蹴りだすことです。
やってみると分かりますが、足の甲を使っても色々な方向にボールを蹴りだすことは可能です。
ですから急にドリブルを始める、急に角度をつけてドリブルのコースを変更する、高速ドリブルで相手を抜き去るといったことが可能になるのです。
さらに、このドリブルと似たボールタッチで足の甲(アウトサイド)を使って味方にパスを出すこともできるので、向かい合った相手選手にとっては次の動作を読みにくいプレーをすることが出来ます。
足の速い子は特にこのドリブルの特性を生かすことが出来るでしょう。
もう一つは、蛇行するようにしてボールを動かし相手をいなし、かわしていくドリブルです。
より技術が求められます。
より頻繁に使う足の部位は土踏まずの辺り、足の内側です。
実際は足の甲も使うのですが、カギは最初の数歩で相手のことをかわし、相手がまだ半身になっている時点で切り込んで抜いていくのです。
50m走は速くなくても、一瞬の動きのキレがあれば同じようにすることが出来ます。
ボールをこねくりまわすような細かいタッチで、相手に足を出させず至近距離でボールを保持し抜くので、足元の技術が必要です。
攻撃を組み立てる段階でのドリブル
サッカーの試合でボールを持っている状況は攻撃の選手だけでなく、自陣で守備や攻撃の組み立てに参加する選手たちにも訪れます。
足の裏を使ってボールを転がすようなドリブルや、足の内側を使うのが一般的です。
この種類のドリブルに切れ味は特に求められません。
それよりも大切なのは、絶対にボールを失わないこと、ドリブル後に正確なパスを出すことです。
さらに理想なのはボールを蹴った後、チームがどのように攻撃を組み立てていくかのイメージが出来ていることです。
サッカーは数本のパスが繋がった後シュートが打たれゴールするという連続プレーによって成り立ちますが、もし最初のパスが少しずれると2人目のトラップが少し難しくなりパスが雑になります。
そして3人目の選手にボールが渡るときには理想のボールでは無くなってしまい、結果シュートが打てない、またはとても難しい姿勢でシュートを打たなくてはいけないといった状況が生まれてしまいます。
ですから、攻撃の基点はとても大切なのです。
基点となるプレーをする選手のアイデアも大切ですし、そこから出されるボールの質も大切です。
つまり正確なパスが求められるのです。
ボランチの選手はボールを散らして攻撃の起点になりますが、それだけでなく、ボールを蹴る前にドリブルで自分自身で少しボールを持ち込むと相手チームに揺さぶりをかけることが出来ます。
例えば、相手チームの選手達がボランチからのボールを受けようとしている選手たちをマークしているとします。
そんな時に、ボランチが自分でボールを持ち込んでマーカーの選手に近づくと、その選手はボールを持っている選手につくか、マークしているパスの受け手になるであろう選手につき続けるかの判断を迫られることになるのです。