苦手な足を自由自在に動かすというのはとても難しいことです。
足でボールを蹴るという概念はそう簡単には生まとにかく無意識のうちに利き足である右でボールを蹴るようにたしかし、サッカーというのは状況によってどうしても逆の足、つまり利き足とは反対の足を使わなければならない、またはそうしたほうが有利になる場面というのが多々あります。
ボールキープする場合など相手から遠いほうの足でボールをもったり、右に流れたボールを追いかけながらシュートを撃つとき、理論的には右足で蹴ったほうがより強くて正確なシュートがうてる確率が高いでしょう。
ラボーナキックなどプロレベルの選手は試合中でも使える人はいますが、その変則なキックを子供のころから練習するとケガや変なくせなどにもまりますので、そういったものはある程度体が出来上がってからのほうがいいと思います。
たしかに、メッシのようにどんなボールも利き足の左足だけでこと足りてしまうような選手も、存在するかもしれません。
しかしながらメッシやマラドーナといった一見左足オンリーな選手でも逆足である右足でも普通に蹴ったりできますし、下手すればそこいらの選手よりもうまいと思います。
個人的には、サッカーは片足でもできると思いますが、よりプレーの幅や選手としてのステップアップを図るには、やはり両足でしっかりボールが蹴れなければならないと考えています。
たしかに、「利き足だけ完璧にすれば問題ない」という人もいるかもしれませんが、両足を扱えることによって生じるマイナス点はないと思うからです。
特に今のようなプレスの厳しいサッカーでは、トラップから利き足にいちいちもちかえるような時間はありません。
その状況に応じて、無意識のうちにどちらの足も使えるようになることが理想で、コーチとして私がこの点について行なっているのは、単純なコーンのドリブルやキープゲームなどです。
常に両方の足でコーンをよけたり回ったりさせています。
また、二人組みでのキックや、1人なら壁に向かってボールを蹴る単純な練習でも充分効果はあるでしょう。
いつぐらいから利き足ではないほうの練習をはじめるべきかについては、多少の個人差があると思いますが早い方がいいのではないかと思います。
基準としては、利き足で、ある程度ボールが扱え、キックもそれなりにできるようになってからでも遅くはないでしょう。
このとき、コーチはただ単に命令調で言ぅのではなく、それよりも「両足が使えると試合でこんなに有利になるんだ」ということをしっかり説明することが大切です。
子どもの物を学ぶ能力というのはすばらしいものがあります。
ですから、コーチの発するひとつひとつの助言が子どもへの多大な影響を与えるのです。