たしかに、チームのなかの優秀な選手が、もっと違う、レベルの高い環境でプレーすれば伸びるはずなのに、伸び悩んでしまう、モチベーションが下がってしまうケースもよくあります。
理想では、うまい選手は上の学年でプレーすることです。
とはいっても、フィジカル面などを見極めたうえでのことです。
実際、欧米のクラブ等ではそのようにレベル分けを行なっています。
日本の場合小学6年生が中学生チームで練習や試合を行なう環境は、クラブ組織でない限り、難しいのが実情ですでは、どのように対処すればいいのでしょうか。
クラブ内でレベル分けをするのではなく、ほかの仲間と同じ立場でプレーをさせることも、ジュニアのサッカーでは必要なのではないでしょうか。
そのような環境により、「仲間を思いやる心や「仲間と協力をして物ごとを遂行する」などのメンタル面の効果を得ることができます。
サッカーだけを考えた場合は、レベル分けをすることもひとつの方法かもしれませんが、ジュニアサーにはそれ以外の目的も多く含まれているからすこのさまざまなレベルの選手が混在する環境は、コーチの力量が試されるところです。
でもアイディア次第で対処することもできます。
トレーニングのターゲットを中間レベルより少し低い選手にもっていきますもちろん、レベルの高い子どもに関しては、これだけでは物足りなくなってしまうものです。
そのような子どもには、声のかけ方を変えたり、レベルの高い要求をすれば、トレーニングとして効果が出てきます。
ドリル練習などでは、このような環境を積極的につくることができるでしょう。
つぎに、1日の練習でかならず、対人練習がはいってくると思います。
そのような場合、レベルの低い子どもと高い子どもが一緒にプレーをすれば、高い子どもはトレーニング効果が低くなり、低い子どもはモチベーションが下がってしまうものです。
そこで次のような工夫をすると効果があります。
トレーニング例:1対1の対人練習1·好きな仲間と対戦2勝った人同士で対戦3,同じ勝敗の人と対戦4·さらに同じ勝敗の人と対戦というように、自然と対戦するレベルが均一になるようにするのです。
これはあくまでも一例ですが、このように工夫をすることにより、同じトレーニング内容でも、レベルによってアプローチを変えていくことができます。
さまざまな方法があると思いますが、結局のところは、コーチ1人ひとりの置かれている状況は異なります。
コーチ自身のパーソナリティー、アイディアにかかってくる面が大きいと思います。