シュートの種類やコツについて考えると分かる通り、ボールをゴールに入れるには様々な要素が関係しています。
ですから、練習の時にそれを出来るだけ細分化し子供たちに教えてあげたいものです。
まず、1、ゴールが決まるまでにはキッカーが上手にボールを蹴ること、そして2、相手チームの選手たちと上手に駆け引きをすることが関係しています。
ではボールを上手に蹴る練習について考えましょう。
良いシュートの練習
選手を向かい合わせに立たせ、インステップでシュートを打つ練習をしましょう。
まずボールの芯を足がとらえる感覚を覚えることを覚えられるように教えましょう。
力む必要はありません。
子供の体の大きさに合わせて距離を決めることが出来るでしょう。
最初は5mから10mくらいがちょうどいいでしょう。
足を自然に振って、ボールをポーンと蹴ります。
ボールの大きさも、体の大きさに対して適切なものを選びましょう。
足首をしっかりと固定する必要があることを教える必要があります。
そうしないとボールを上手に蹴れませんし、足が痛くなってしまうでしょう。
ボールを上手に蹴れるようになってきたら、距離を少しずつ伸ばしていきましょう。
より遠くに蹴ろうとすると、修正点がさらに出てきます。
例えば足をより大きく振るためには体を斜めに傾けて足を振るスペースを確保する必要があります。
さらにどうしても少しカーブがかかってしまうのでボールがまっすぐに飛びにくくなります。
ボールの芯を上手に足の甲に当てなるべくボールをまっすぐに飛ばせるように練習しましょう。
体を反らす具合によってボールが浮きやすくなることもこの時に教えることが出来ます。
ノーバウンドで距離のあるボールを蹴れるようになれることを目指しましょう。
ゴールに向かって蹴る
ゴールに向かってボールを蹴る練習をしましょう。
キーパー役がいるのなら、立ってもらうことができます。
蹴りたいのはゴールの端です。
この時、思いのほかボールをキーパーに蹴ってしまいがちなことに気づくかもしれません。
これはもしかしたら練習で誰かに対してボールを蹴る練習をたくさんするからかもしれませんし、もしくはキッカーがキーパーを強く意識するからかもしれません。
キーパーのいないところにボールをけるためには、軸足が狙っているところに向いていることと、おへそもその方向に向いていることを確かめるように教えましょう。
ゴールに向かってシュートを練習するときに、ボールを曲げてみることも教えることができます。
ボールの芯をとらえることを覚えているのなら曲げることもしやすいでしょう。
ここでもやはり曲がった後にゴールの隅にボールが飛ぶように狙います。
大事なのはフォームであることを時々思い出させてあげましょう。
動いたボールをシュートする
ボールを一度か二度前に蹴りだしてそれをシュートする練習をしましょう。
最初はゆっくり転がっているボールがよいでしょう。
軸足をどこにつくかがカギです。
転がっているボールも、できるだけきれいなフォームで蹴れるよう意識するよう声をかけましょう。
理想は止まっているボールと同じように蹴れることです。
体が少し大きくなってきたら、ボールを横に蹴りだして(ゴールの前を横切っていくようにボールを転がし)体を少しひねってシュートを打つことも練習に組み込むことができるでしょう。
これには背筋や腹筋、腰の強さ、バランス感覚などが求められます。
そしてゴール隅を意識してそこに向けてボールをけることが必要です。
試しに蹴ってみるとわかることですが、体を捻って蹴る場合、ファーサイドに体を強くひねってシュートするほうが、ニアサイドに少し体を捻るより簡単です。
力任せではなく捻る具合がカギなのです。
たくさん練習して、可能なら蹴り分けられるようになるなら、きっと実戦で有効な手段になるでしょう。
味方からパスを受けてシュートを打つ
ゴール前でボールを受けてダイレクトもしくは一度トラップをしてシュートする練習です。
ボールをどこから出すかのバリエーションでシュートに持ち込む体の使い方を練習しましょう。
ゴールに向かって右側からボールが出る場合、右利きの選手ならボールを止めるか少し跳ね返してシュートに入りますが、ゴールに向かって左側からボールをだすのなら、ボールを流しながら転がるコースを変えてシュートになるでしょう。
ゴールポストの前辺りから選手に向かって転がってくるようなボールをだすというパターンもあります。
この種類のボールをダイレクトで蹴るときは足を振りすぎず、ミートさせることを意識するように教えてあげる必要があります。
選手の斜め後ろからボールを蹴ってあげることもできます。
ボールを自分のボールを蹴りたい場所に上手に転がすよう教えましょう。
これらの動きは実戦にだいぶ近づいていますので、最初から上手にできる子はあまり多くないかもしれません。
粘り強く、楽しみながら練習できるような雰囲気を保ち継続して練習しましょう。
正確なトラップを意識するように教えましょう。
さらに付け加えて言うと、このトラップは次にシュートを打つためのトラップですから、後ろに流してしまうことや足元に収まりすぎることのないトラップを目指すように教えましょう。
トラップした次の一歩でシュート体勢に入れるような動きを目指すように教えましょう。
ディフェンダーを立たせる
さて、さらに実戦に少し状況を似せて練習してみましょう。
ディフェンダーを立たせて、ドリブルからのシュートやパスを受けてのシュートの練習をしましょう。
最初はディフェンダーは動く必要はありません。
「トラップは一度だけ」というような制限をしてやってみましょう。
しばらくして慣れてきたら、ディフェンダーに一歩か二歩動いて少しコースを消す動きをしてもらいます。
トラップしたボールをどこに落とすかを考えつつ、良いイメージで動けるように教えましょう。
ここから先は味方を増やす、ディフェンダーを増やすといった風にして状況を複雑にすることでより実践向きのシュート練習になるでしょう。
ストレスのかかった状況では顔を上げるのが難しくなります。
そうすると、当然ゴールのどこが開いているのかも見えにくくなります。
すると当然シュートは力の入った強いシュートを打ちたくなるのです。
そうすれば、ゴールキーパーの手が届きそうなところでも押し通せるからです。
それが間違っているわけではありませんが、それはやはり最後の手段でしょう。
むしろ良いタイミングでルックアップして自分の前に何が起きているのかを確認するように励ましましょう。
トラップ直後にルックアップするとよいでしょう。