シュートとはとにかくボールをゴールに入れる最後のキックのことです。
ですから手以外の体の部位を使ってゴールできれば基本的には目的を達成したことになります。
とはいえ、お尻で20メートル先のゴールにボールを飛ばすことは難しいですので当然足を使うことになります。
足のどこにボールを当てるかによってボールの飛び方が変わります。
同時にそれぞれに名前が付けられています。
代表的ないくつかのシュートと名称を紹介します。
インステップシュート
足の甲で蹴るシュートです。
パワーシュートを打つことが出来ます。
基本的にはまっすぐに早いボールが飛びます。
ボールを指の付け根のあたりでとらえるなら、低い弾道のシュートになります。
どのようなときに使うのでしょうか。
例えば、コースがまっすぐに見えた時や視界良好でボールを蹴りこめばいいときに使うことが出来ます。
フリーキックでこの種類のシュートを多用するプロの選手もいます。
飛距離が出ますので、遠目からでも狙いたいときのオプションにすることが出来ます。
子供たちには大人のような筋力がないですから、このシュートから多くを求めるのは難しいかもしれませんが、インステップシュートを応用するとシュートにバリエーションを付けることが出来ます。
例えば、インステップシュートの意識で少し親指にボールがかかるように蹴るなら、カーブのかかった弾道のボールになります。
次の副見出しにあげるインフロントシュートとは違う小さなカーブですが少し変化するボールです。
キーパーにとっては重たいボールが飛んでくることになります。
もし、ボールを足の小指側に逃がすようにして蹴るならスライスのかかったボールが飛びます。
これもやはりアウトフロントシュートとは違う弾道ですが、重いボールでなおかつ少し変化したボールになります。
アウトフロントシュートとの違いはあくまで足の甲でボールを蹴ろうとしているところにあります。
インフロントシュート
足の内側を使うシュートです。
コントロールしやすく、弧を描いた弾道のボールを蹴ることが出来ます。
強いボールを蹴ることができますが、インステップシュートに比べるとよりコントロールを重視したキックといえるでしょう。
土踏まずの部分を使ったシュートです。
どのような状況で使うのでしょうか。
例えばまっすぐボールを蹴るだけでは相手チームの選手の足に当ててしまうであろう状況でも、ボールを曲げればゴールできるといった状況です。
味方へのパスを通す時も大抵この方法のキックを用います。
サッカーで一番使われる種類のキックなのです。
子供たちがシュートを覚えていくうえで是非強調したいのがコースを狙ったシュートでゴールを奪うことです。
つまりこのインフロントシュートを上手に使えるようになることを教えることはとても大切です。
土踏まずの部分を使ってボールをこすりあげるようにしてカーブをかけボールを蹴ります。
足を大きく振る意識を持つとよいでしょう。
単純にボールを曲げるだけではゴールできませんので、スピードのあるボールを蹴る必要があることも教える必要があります。
ボールをこすって回転をかけるのと同時にボールの芯をある程度とらえて勢いのあるボールを蹴ります。
フリーキックの名手たちは大抵この種類のシュートをマスターしています。
プロの試合では、壁を作ることは壁を作った側からゴールされることがないようにしているわけですが、スピードと強いかカーブのかかったインフロントシュートはその壁を飛び越えてなおかつゴールの中にボールを飛ばすことが出来てしまうのです。
また、コーナーキックでも一般的にこのシュートが使われています。
カーブのかかったボールの行先によって、ゴールに直接飛んでいくボールを蹴ったり、またはゴール前で待ち構えている味方の頭を目がけてボールを飛ばすのです。
ゴールに直接飛ぶカーブはそれ自体が脅威になりますし、味方にとってもコースを少し変えるだけでゴールになる可能性があるボールです。
逆にゴールからそれる向きに飛ぶボールは、良く曲がるならあたかもボールが相手ゴール側から飛んできたような角度になりますので、それを素直に蹴りこむか、もしくはヘディングすることができればゴールのチャンスになるのです。
その他のシュート
ここまではボールの蹴り方からみたシュートの種類に触れてきましたが、ここからは別のシュートの種類を上げたいと思います。
ここにあげるシュートは頻繁に使われるものではありませんが、アイデアで相手の意表を突くとゴールを生むことが出来るのです。
ループシュート
ゴールキーパーの頭を越えてゴールを狙う山なりの軌道のシュートです。
ゴールキーパーは普通自分の右か左かをかすめてシュートが打たれるのを想定して守備していますので、その意表をついて前に出てきたキーパーの頭越しにシュートを打つのです。
技術が求められますが、オプションの一つとして持っているならゴール前で落ち着いている助けになるといえるでしょう。
オーバーヘッドシュート
バイシクルシュートとも呼ばれる、キッカーがバク転しながらボールを空中でとらえるシュートです。
これもやはり、このシュートが効果がある理由の一つは相手チームの選手の意表をついたシュートであるということです。
身体能力とボールを的確にミートさせるシュート技術が求められます。
着地時の手の付き方などを学ぶとよいでしょう。
幼い子供たちには危険かもしれませんので、大きくなったら練習するとよいと教えるとよいでしょう。
シュートの種類は数知れずあり、名前を知らずに蹴っているシュートも多々あります。
遊びを兼ねて子供たちに教えてあげるなら楽しく学ぶことができるでしょう。
状況に応じてその場で一番効果的なシュートを蹴れるよう、様々な状況をシュート練習の際に設定して子供たちに疑似体験をさせると試合でより落ち着いてよい判断をすることが出来るよう教えることができるでしょう。
様々な種類のボールの蹴り方を知っていること、それを試合で蹴れること、そしてゴールできることはそれぞれ違います。
コーチには子供たちのそれぞれの能力に応じ、ステップを踏みつつ試合で活躍できるように教えてあげましょう。