シュートの方法とはつまりボールをどうやってゴールに入れるかということです。
シュートチャンスでゴールのどこに、どのコースでボールを飛ばし、そのためにどの蹴り方が一番良いかを選ぶことが関係しています。
繰り返しになりますが、細かいことを考えずに思いっきりボールを蹴ってゴールする方法もありますが、子供たちは大きくなるにつれてそういうシュートはゴールにならないことに気づくようになるでしょう。
ですから、早いうちからコースを狙って蹴るシュートを教えてあげたいものです。
シュートをうってゴールを決めるために第一に求められるのは、ゴールキーパーにボールを当てないでゴール枠内にボールを蹴ることです。
さらに、実践では相手ディフェンダーを前にしつつ、もしくは相手をかわしながらシュートをイメージ通りに蹴ることも求められます。
では、どのようにそのような状況でシュートを打てるか、考えてみましょう。
ゴール前でキーパーと一対一になっているシーン
ペナルティーキックが典型的なケースですが、相手ゴールキーパーと一対一の状況がシュートチャンスの中でも一番シンプルなシーンです。
その時どこを狙って蹴るとよいでしょうか。
もちろんボールがキーパーの触れないところに飛ぶのが一番です。
つまりゴールの端を狙うことになります。
プロのゴールのデータを分析すると一番ゴールの多いスポットはゴールに向かって左下が一番、二番目が右下だそうです。
プロたちもそこを狙っているんですね。
もちろん端を狙えば狙うほど、ゴールの枠をとらえられず外に飛んで行ってしまい、まったくチャンスにならない確率も増えます。
そこに選手の技術力と冷静さ、練習量が現れるといえるでしょう。
大人のサッカーのレベルでなければもう少し内側を狙うこともできるでしょう。
キーパーの側から見てセーブしにくい場所とは
キーパーから見てどの位置が防ぎにくい位置なのでしょうか。
当然ですが、ゴールキーパーは手を使ってゴールを守っています。
ですから手の伸ばしやすいエリアはセーブしやすい位置です。
それは足の延ばしやすいエリアにも言えることです。
ゴールポストぎりぎりよりも内側に蹴りたい場合、それらのエリアを避けるならゴールの可能性を高めることが出来るでしょう。
ゴールキーパーの触れそうな位置でも、意外とキーパーからは取りにくい位置というのもあります。
それはキーパーが足を上げても膝やスネが触れない高さです。
多くの場合その距離では手はしっかり伸ばさないと届かないのです。
キーパーの意表をつく
試合の流れの中ではキーパーは基本的に右か左か前に飛び出すべきかを考えています。
緊張の中で体が硬直し、意外なタイミングや場所に飛んでくるボールに対処できないことがあります。
キーパーが想定していないシュートを蹴るならチャンスを広げることが出来ます。
どのようにキーパーの意表をつくことができるのでしょうか。
例えば、試合を通してペナルティエリアの角からずっとセンタリングを狙ってきたとします。
それが何度も続くとディフェンダーもキーパーも大方の場合次も同じようにセンタリングを狙ってくることを想定するのです。
そのような時に突然いいコースにシュートが飛ぶとどうなるでしょうか。
センタリングに備えて体は前に飛び出そうとしているためにシュートをブロックするための反応が遅れることになります。
そしてゴールを奪うことが出来るのです。
試合中なるべく冷静に、相手が何を考えているかを考えるようになるなら、シュート技術以外の要素によってゴールを奪うプレーを覚えることができるでしょう。
ディフェンダーをかわしたシュート
試合中にもっとも多いシュートシーンでは大抵相手チームの選手が周りでシュートをブロックしようとしています。
これらの状況でシュートを打つのが難しいのはなぜかというと、シュートモーションに入るときにボールを奪われるもしくはブロックされてしまうからです。
それではどうしたらよいのでしょうか。
プロの選手がするのは、そのような状況でもボールを蹴るための時間とスペースを作り出すということです。
ボールを上手に動かして相手が一歩届かないところにボールを置き、足が伸びてくる前にシュートを打つのです。
または、伸ばしてきたディフェンダーの股の下を狙うこともできます。
それは相手にとって意外なシュートコースです。
そのためには正確なトラップ、ボディバランス、ディフェンダーの寄せに耐えられる体の強さ、そして何よりも決して理想的な姿勢ではなくても上手にボールを蹴る体のしなやかさが求められます。
様々な要素が関わりあっていますが、それぞれの要素をかみ砕いて練習するなら少しずつ体得することが出来るでしょう。
ディフェンダーをかわしてシュートチャンスを作り出すには他にも様々な方法があります。
例えば、仲間とパスを交換してフリーでシュートを蹴ることのできるシーンを作り出すことが出来ます。
その為にはスペースを見つけること、またはスペースを作りだすこと、正確なパスを蹴ること、受け手が正確にトラップすることといった要素が関係します。
これもやはり、練習を重ねるなら習得することが出来ます。
私の住んでいるボリビアでは、大人も子供もよくサッカーをしています。
そして多くの場合それぞれが特有の得意シュートを持っています。
体の小さな人は切り返しや細かいボールタッチで、また別の人は遠目からでもいつもゴールポストぎりぎりをきっちりと決める、さらに別の人はこねくり回すようなドリブルで皆をかわしてゴールを奪うといった様子です。
幼い子供が、「自分はこのスタイルでやっていく」と決めてしまう場合、将来の可能性を不必要に淘汰してしまっている可能性がありますので、幼い時にスタイルを決めることは避けたいですが、個性に合ったサッカーを伸ばしてあげられるよう意識しましょう。
シュートやゴールはサッカーの醍醐味です。
子供たちがそれを楽しむことが出来るように教えてあげましょう。