サッカーのシュートの蹴り方には様々な方法があります。
良いシュートはどのように蹴ることが出来るのでしょうか。
前の記事でもふれた通り、良いシュートは力任せのシュートではなくコースを目がけて蹴れるシュートです。
体のしなやかさが求められます。
ここでは、シュートのフォームの大切さを考えましょう。
野球のピッチングやバッティング、バスケットボールのシュート、さらにはボーリングの投球もそうですが、きれいなフォームでボールを投げられるならボールに力を伝えやすいですし、コントロールしやすくなります。
子供たち、とくにまだ体が出来上がっていない年齢の子供たちには是非、筋力をつけるトレーニングよりも、体を上手に使い、足をボールに上手にミートさせるコツを教えてあげましょう。
シュートの理想的なフォームとはどのようなものでしょうか。
足が自然に振れるフォームです。
無駄な力が入らず、本人にとっても自然な蹴り方です。
ボール無しで足を強くふるとイメージしやすいと思います。
その足の振りを使ってボールを遠くに飛ばすのです。
軸足をどこに置くか
軸足とは、聞き足ではない側の足です。
字を見てわかる通り、ボールを蹴るときの体の軸になる重要なステップです。
軸足はボールの横に置くわけですが、利き足を自然に振れるように体をセットできる位置に軸足をつきます。
軸足をどこに置くかがわかると、どの程度助走をとると気持ちよく蹴れるかもわかってきます。
助走は体がキックフォームに入るための準備をするためのものです。
個人で差がありますが、たくさん走ると強いシュートが打てるという訳ではありません。
軸足の向きはボールがどこに飛んでいくかを決める要素の一つです。
そして体の正面に狙っている先があるとコントロールしやすくなります。
両肩とヘソが狙っている場所に向かっているとよいでしょう。
上半身を使う
足を振るとき体は腰を回しますので、当然体をひねります。
そのひねりは同時に腕を振らせます。
そのようにして体は自然とバランスをとり、上半身を使って足を強く振ろうとしているのです。
ですからボールを蹴るときに腕を大きく振ると体のバランスを取りやすく、ボールに強いインパクトを与えることが出来ます。
腕を振るとき、自然と胸を開くことになりますが、胸をそらしすぎないように注意しましょう。
そのようにして体が起きてしまうと、ボールの弾道は山なりで柔らかになり、多くの場合ゴールを越えていってしまいます。
むしろ、ボールをミートした後の足のふり(とくにスネの向く先)を意識すると良いでしょう。
シュートの時の目線
助走を始める前に蹴る位置を決めますのでその時はキーパーやゴールを見ますが、そのあとはひたすらボールを見るべきです。
動いているボールを蹴るときは時にそうですが、なるべく最後までボールを見ることでシュートの精度をあげることができます。
グラウンドのコンディションが良くないときなどは特に最後までよくボールを見て、足をイメージ通りにボールに当てるようにしましょう。
これは個人的な意見ですが、体が一瞬早く目をそらしてしまう癖をもっている場合があります。
その場合はよく意識して「最後の最後まで」ボールを見るように訓練するとよいでしょう。
足を振る
ボールを強く蹴るために体は少し軸足のほうに傾くようになります。
フォームが大事であることを思い出しましょう。
例えば、ボーリングは投球時、腕を後ろに振り上げ、その後は基本的にボールの重さと勢いを活かして投球するわけですが、サッカーのシュートも足を大きく振るとよいシュートを蹴ることができます。
基本的には振り上げた足をきれいに振り下ろすことを意識しましょう。
強いボールを蹴ろうとしてりきむと、大抵の場合上手にミートできずボールは思わぬ方向に飛んで行ってしまいます。
子供たちには、上手にボールを蹴ることと強く蹴ることの違いを教えましょう。
また、体が大きくなると自然と強いシュートが打てるようになることを伝えましょう。
そして、体が大きくなったとしても、パワーシュートよりも上手にボールを蹴れるほうが点を取れるということを強調するとよいでしょう。
キックの後
ボールが足を離れた後は、足を振り切ります。
きれいなフォームを意識するようにしましょう。
この意識がボールをミートするまでの動作をよりスムーズにする助けになります。
ヘディングシュート
足でのシュートのほかに代表的なシュートはヘディングシュートです。
頭をボールにぶつけるのは怖いものです。
体の小さな子供たちの場合はなおさらそうだと思います。
もしも、ヘディングをしてみたいという子がいるのでしたら、簡単な練習をすることができるでしょう。
ヘディングのカギはボールを怖がらないことと、最後までよくボールを見ることです。
テニスボールのようなボール使ってヘディングさせてみる。
恐怖心を与えないボールを使って練習しましょう。
本人が自分で少しボールを上に投げておでこをボールにぶつけます。
一メートル位の距離から優しくボールを投げてヘディングで返させる。
そしてだんだん距離を伸ばしていきます。
同時にボールのスピードも上げていきます。
最初は自分の正面から来たボールをまっすぐに跳ね返す意識でボールを飛ばす練習をしましょう。
慣れてきたら、体を横に向けながら頭をより強くボールにぶつける練習かつ、ボールの飛ぶ向きを変える練習をすることが出来るでしょう。
ボールの勢いに頭が負けてしまうときは、子供の筋力がまだ十分でないのかもしれないので注意しましょう。
強いヘディングには首周りの筋力や背筋、腹筋がある程度発達していることが求められます。
私たちの側でよい判断をしましょう。
試合中、フリーキックの時以外は理想的なフォームでクリーンショットを打つことが出来るチャンスは多くありません。
多くの状況では崩れた体制でシュートを打たなくてはならないのです。
ですから尚更、きれいなシュートのフォームという基本を大事にしましょう。